世田谷の冬の風物詩「ボロ市」。400年以上の歴史を誇る伝統行事を株式会社エコLOVE フェスティバルクリエーターの浅田香菜さんと一緒に取材しました。700店の出店と80万人を超える人出で賑わいをみせるボロ市。長年に渡りボロ市を見守り活動を続けている熊澤惠さんにボロ市の伝統、歴史、地域の人々の協力について伺いました。
◆ 世田谷の「冬」の風物詩。世田谷ボロ市をGTFガールと共に。
世田谷の冬の風物詩といえば「ボロ市」。
430年以上の歴史を誇る伝統行事です。
GTFはボロ市の歴史と魅力に迫りました。
レポーターはGTFガールの浅田香菜さん。様々なイベントの司会やモデルとして大活躍です!
ボロ市の運営に長く携わっていらっしゃるボロ市保存会の副会長、熊澤恵様からお話をお伺いしました。
ボロ市の伝統、歴史、文化
そして、それを長年守り続けている地域の人々の協力について伺う事ができました。
◆ 地域振興の願いを込めた「楽市」
世田谷ボロ市は1578年に開催された楽市が起源と伝えられています。
楽市とは戦国大名の保護を受けた市です。
関東を制覇した北条氏政が発した「楽市掟書」。
北条氏政は立地条件の良い世田谷に新宿を開設し同地域の振興発展を意図したと推測されています。
楽市掟書には「押し売り」「喧嘩」「口論」などを禁止すること、毎月1の付く日と6の付く日に開催をすること、が記載されています。掟書は吉良家の重臣で吉良四天王・五大夫家の一人であった大場家初代の越後守信久に伝えられ、現在まで大場家に伝わっています。
その後「楽市」は毎年12月15日に開催される「歳の市」として地域住民に親しまれるようになりました。 また明治20年代になると「歳の市」はボロや古着が盛んに集まるようになり、この頃から「ボロ市」という名称が定着するようになったそうです。
当時ボロは、野良着の繕いや、草鞋・草履に編み込む補強用として重宝されました。
◆ 地域の人々の協力で伝統を守り継承しているボロ市
ボロ市は東京都の「無形民俗文化財」として指定されています。
文化財保護委員会によって文化財として指定するに相応しいか審議がされますが、ボロ市は中世からの生活様式や文化を残し継承している、貴重な市であるとして指定を受けました。
中世の日本人の生活文化を430年以上にも渡って継承し続けているボロ市。
その背景には歴史を守り伝えようとする地域の人々の協力があります。住民有志のボランティアのみで運営される歴史ある市は他には存在しません。
今後、更に450年、500年を目指すために後世に伝える後継者が必用だと熊澤さんは語ります。
北条氏政の「楽市の掟」を原則として厳守し続け、国の文化財、そして世界文化遺産として登録されるのが夢だと笑顔でお話しくださりました。
◆ ボロ市の名物「代官餅」
さてボロ市の名物といえば「代官餅」です。
代官餅を求める行列は長く最後尾からは1時間~2時間近くも並ぶそうです。
ボロ市の時だけ食べられる代官餅は、あんこ、きなこ、からみ※、の3種類の味を楽しめます。
※からみ
大根おろし、葱、醤油など混ぜたものをたっぷりお餅にのせております。
その場で蒸してついた温かくボリュームのあるお餅を目当てにボロ市に訪れる人も多いとか。 ボロ市開場と同時位が空いていて購入のチャンスとのことでした。
世田谷ボロ市
2014年12月15日~16日
開催時間:午前9時~午後9時
開催場所:ボロ市通りを中心に、世田谷通りの一部、上町・世田谷駅周辺
開催時間:世田谷線 上町・世田谷駅下車すぐ
※期間中は世田谷通りは大変混雑し、交通規制もかけられますので、公共交通機関でお出かけください。
出店数:約700店
主な出店品目:農機具・古着・洋服・植木・骨董品・食料品・玩具など